キツネとタヌキと、にんげんと。 Chapter 02: にんげんの神社と、祈りを捧ぐ巫女 大森つばきは祈りを捧げていた。仲間の巫女長である、あおいの無事を。 朝、神社の奥社にある、巫女長の居室がもぬけの殻となっていることに気がついた神社は、大騒ぎとなった。早速警察に捜索届を出し、あたり一帯の捜索を神社総出で始めた。 しかし、騒ぎが外部に感づかれるのはまずい。村の精神的な支柱となっている神社である。その巫女長が居なくなったとなれば、村にも不安が広がる。 そのため、神社の顔となるような巫女や宮司、その他の神官などは何事もなかったかのように神事を執り行うこととなった。