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File metadata and controls

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第6章 Googleスライドの操作方法

Googleスライドは、Google Workspaceで提供されているプレゼンテーションのためのアプリケーションです。 発表資料※の閲覧、作成や、プレゼンテーションの実施が可能です。

※一般に発表資料全体を「スライド」と呼ぶ場合と、発表資料の各ページを「スライド」と呼ぶ場合があります。 本ガイドでは、発表資料全体のことは「発表資料」または「ファイル」、各ページのことは「スライド」と記します。

Googleスライドには、https://slides.google.com/からアクセスできます。 このページには、最近利用した発表資料の一覧などが表示されますが、実際の利用に当たってはGoogleドライブから発表資料を開いたり新規作成をしたりするほうが便利な場合が多いでしょう。

画面の構成

Googleスライドの画面は、以下のような構成になっています。

  • メニューバー
  • ツールバー
  • スライド一覧
  • スライド編集領域

以下、それぞれの要素について説明します。 なお、本章で紹介する操作は、基本的にフォーカス・モードで行うことを前提としています。

メニューバー

画面上部に表示されていて、「ファイル」、「編集」、「表示」などのメニューが並んでいます。 Alt + Fを押下すると、ファイル・メニューにフォーカスが移り、左右矢印キーで他のメニューに移動できます。 上下矢印キーで、そのメニューの中の項目を選択できます。

ツールバー

ツールバーは、メニューバーの下に表示されていて、よく使う機能のアイコンが並んでいます。 ほとんどの機能はメニューバーから実行したりショートカット・キーを使って実行したりすることができます。

ツールバーのアイコンを利用する場合は、まずメニューバーにフォーカスを移した後にTabキーを押下して、ツールバーにフォーカスを移してください。 その上で、左右矢印キーでアイコンを選択し、Enterキーの押下で実行できます。

スライド一覧

画面左側の領域で、作成中の発表資料に含まれるスライドのサムネイルが、縦に並んで表示されています。 「スライド一覧」ではなく「フィルムストリップ」と呼ばれることもあり、Googleスライドのショートカット・キー一覧では「フィルムストリップ」と記されていることがあります。

Ctrl Alt + Shift + Fを押下すると、スライド一覧にフォーカスが移動します。 右矢印または下矢印で次のスライドのサムネイルに、左矢印または上矢印で前のスライドのサムネイルに移動できます。 コンテクスト・メニューを開くと、選択しているスライドに対して行える操作が表示されます。 Tabキーを押下すると、選択しているスライドの編集領域にフォーカスが移動します。

スライド編集領域

選択しているスライドの内容を編集できます。 この領域は、「キャンバス」とも呼ばれ、Googleスライドのショートカット・キー一覧では「キャンバス」と記されていることがあります。

この領域に、テキストボックスや図形、画像などを配置して、スライドの内容を作成します。 テキストボックスなどのスライド上に配置する要素は、「オブジェクト」と呼ばれることが多いですが、Googleスライドのショートカット・キー一覧では「図形」と記している場合もあります。

スライド一覧からフォーカスを移動した場合、1個目のオブジェクトにフォーカスが移動します。 複数のオブジェクトが配置されているスライドの場合、Tabキーを押下する度に次のオブジェクトにフォーカスが移動し、最後のオブジェクトからTabキーを押下すると、最初のオブジェクトにフォーカスが戻ります。

オブジェクトが選択されているときにコンテクスト・メニューを開くと、そのオブジェクトに対して行える操作が表示されます。 また、Enterキーを押下すると、そのオブジェクトの編集モードに入ります。 Escキーを押下すると、編集モードを抜けます。

オブジェクトが選択されているときにEscキーを押下すると、そのオブジェクトの選択が解除され、そのスライド全体を選択した状態になります。 ここでコンテクスト・メニューを表示すると、そのスライドに対して行える操作が表示されます。

発表資料の閲覧

一般的には、発表資料の閲覧は後述するプレゼンテーション・モードで行います。 このモードもスクリーン・リーダーで十分に操作可能ですが、閲覧のみを目的としている場合には必ずしも使いやすい方法とは言えません。 閲覧時には、HTMLビューで表示すると読みやすいことがあります。

発表資料を開いて、Ctrl + Alt + Shift + Pを押下すると、HTMLビューで表示されます。 このモードでは、すべてのスライドが1つのWebページにまとめて表示されます。 閲覧する際には、ブラウズ・モードに切り替えて、一般的なWebページ同様に操作します。 各スライドは、別々のARIAランドマークとして認識されるようになっているため、ブラウズ・モードでDキーまたはShift + Dキーの押下で、次のスライドまたは前のスライドに移動できます。

スクリーン・リーダーで文字情報を確認する上では便利なHTMLビューですが、視覚的には実際の発表資料とは異なる表示になることが多い点に注意が必要です。 HTMLビューは、スクリーン・リーダーによる確認にのみ利用するものと考えてください。

また、発表資料の権限設定によっては、HTMLビューでの表示ができない場合もあります。 その場合は、プレゼンテーション・モードでの閲覧を試みてください。

発表資料の作成

新しい発表資料を作成すると、1枚だけスライドがある発表資料が作成されます。 このとき作られるスライドは、空白のものの場合と、タイトルスライドの場合があります。 タイトルスライドの場合は、適用されているテーマにもよりますが、スライド上部にタイトルを入力するためのテキストボックス、下部に発表者名や日付を入力するためのテキストボックスの2つのオブジェクトが配置されています。

基本的な編集操作

前述の通り、Tabキーの押下でこれらのオブジェクトに移動し、Enterキーの押下で編集を開始します。

テキスト編集中は、メニューバーの「表示形式」から様々な書式を適用できます。 書式の適用の操作には、Googleドキュメントと共通の操作も多くあります。 現在カーソルがある位置の文字の書式を確認するには、Ctrl + Alt + A Ctrl + Alt + Fを押下します。

長い行は自動的に折り返して表示されます。 編集中に上下矢印キーを使って1行単位で読み上げさせると、折り返し位置を確認できます。 箇条書きの項目の途中で明示的に改行したいような場合には、Shift + Enterキーを押下します。

このようにして行長をある程度制御することは可能ですが、そのテキスト全体がテキストボックスに収まっているかどうかをスクリーン・リーダーの読み上げだけを頼りに確認するのは難しいかもしれません。 生成AIの画像解析などを活用すればある程度の確認は可能ですが、最終的には晴眼者による確認を行うのが確実でしょう。

編集が終わったら、Escキーを押下して編集モードを抜けます。

スライドにレイアウトを適用する

最初に作成されたスライドが空白の場合は、そのスライドに「タイトルスライド」など、適当なレイアウトを適用します。 空白のスライド上にテキストボックスを手動で配置することもできますが、発表資料のテーマを指定する機能の活用が難しくなるため、レイアウトを適用することをお勧めします。

レイアウトの適用は、対象のスライドのコンテクスト・メニューから、「レイアウトを適用」のサブメニューを開いて行います。 「レイアウトを適用」でEnterキーを押下すると、そのスライドに適用できるレイアウトの一覧が表示されますが、この一覧は複数列になっていることが多いため、左右矢印キーを使って移動すると読み落としの可能性が低くなるでしょう。 左右矢印キーで目的のレイアウトを見つけたら、Enterキーを押下して適用します。

なお、この操作はメニューバーから「スライド」→「レイアウトを適用」の順に選択しても行えますが、この手順の場合はNVDAでレイアウトのリストが適切に読み上げられないようです。

タイトルスライド以外には、以下のレイアウトが比較的よく使われます。

  • タイトルと本文:上部にスライドのタイトル、中央に本文を入力するためののテキストボックスが配置されているレイアウトです。タイトルと箇条書きからなる一般的な形のスライドで使われます。
  • セクションヘッダー:スライドのセクションを区切るための見出しを入力するためのテキストボックスが配置されているレイアウトです。セクションの区切りを明示するために使われます。

スライドの追加

以下のいずれかの方法で、新しいスライドを追加できます。

  • スライド一覧でEnterキーを押下:選択しているスライドの後に新しいスライドが追加されます。
  • メニューバーから「スライド」→「新しいスライド」の順に選択(ショートカット・キーはCtrl + M):現在表示しているスライドの後に新しいスライドが追加されます。

いずれの場合も、追加されるスライドには、現在選択しているスライドと同じレイアウトが適用されます。

スライド間の移動

表示しているスライドから別のスライドへ移動するには、以下のいずれかを行います。

  • スライド一覧で目的のスライドを選択
  • Page UpまたはPage Downキーを押下:1つ前または1つ後のスライドに移動
  • 選択されているオブジェクトがない状態で矢印キーを押下:1つ前または1つ後のスライドに移動

スライドの削除

スライド一覧で削除したいスライドを選択し、Deleteキーを押下すると、そのスライドが削除されます。 スライドの選択時にShiftキーと矢印キーを組み合わせて複数のスライドを選択してからDeleteキーを押下すると、複数のスライドをまとめて削除できます。

スライドのコピー

スライド一覧でコピーしたいスライドを選択し、Ctrl + Cを押下します。 ここでも、Shiftキーと矢印キーを組み合わせて、複数のスライドを対象にすることができます。

次に、コピー後にそのスライドの直前になるスライドを選択して、Ctrl + Vを押下します。 つまり、例えば18枚目と19枚目の間にコピーしたい場合は、18枚目のスライドを選択した上でCtrl + Vを押下します。

スライドの移動

スライド一覧で移動したいスライドを選択した上で、以下のいずれかの操作を行います。 このとき、Shiftキーと矢印キーを組み合わせて複数のスライドを選択することもできます。

  • Ctrl + Xを押下してスライドを切り取り、移動後にそのスライドの直前になるスライドを選択して、Ctrl + Vを押下
  • Ctrlキーと矢印キーの組み合わせで選択しているスライドを移動
    • Ctrl + 右矢印キーまたはCtrl + 下矢印キー:選択しているスライドを1つ後ろに移動
    • Ctrl + 左矢印キーまたはCtrl + 上矢印キー:選択しているスライドを1つ前に移動

スライド上のオブジェクトのサイズと配置

スライドに画像を張りたい場合など、オブジェクトのサイズや配置の調整が必要な場合があります。 最終的には晴眼者による確認を行うことが確実ですが、スクリーン・リーダーでオブジェクトの配置をある程度調整することも可能です。

オブジェクトのサイズと配置の確認

まず、選択しているオブジェクトのサイズとスライド上の配置を知るには、Ctrl + Alt + A Ctrl + Alt + Fを押下します。 すると、例えば「サイズ: 23.7×2.3 cm 位置: 左から 0.9 cm、上から 6 cm 」のように、そのオブジェクトのサイズと配置が読み上げられます。

スライドのサイズの確認

次に、以下の手順でスライドのサイズを確認します。

  1. 1つだけオブジェクトが配置されたスライドを作成
  2. そのオブジェクトを選択
  3. コンテクスト・メニューから「ページ中央に配置」→「上下」の順に選択
  4. コンテクスト・メニューから「ページ中央に配置」→「左右」の順に選択
  5. Ctrl + Alt + A Ctrl + Alt + Fを押下して、そのオブジェクトのサイズと配置を確認
  6. そのオブジェクトがスライドの中央に配置されていると仮定して、スライドのサイズを計算

例えば、上記手順の5で確認した情報が「サイズ: 23.7×2.3 cm  位置: 左から 0.9 cm、上から 6 cm  」だった場合、以下のように計算できます。

まず、オブジェクトの上端はスライド上端から6cmの位置にあります。 オブジェクトの高さは2.3cmです。 そして、このオブジェクトは上下方向の中央に配置されていると仮定しているので、オブジェクトの下端からスライドの下端の間にも6cmの余白があると考えられます。 従って、縦のサイズは6cm + 2.3cm + 6cm = 14.3cmです。

横方向の長さについても同様に計算できます。 まず、オブジェクトの左端はスライド左端から0.9cmの位置にあります。 オブジェクトの幅は23.7cmです。 そして、このオブジェクトは左右方向の中央に配置されていると仮定しているので、オブジェクトの右端からスライドの右端の間にも0.9cmの余白があると考えられます。 従って、横のサイズは0.9cm + 23.7cm + 0.9cm = 25.5cmです。

まとめると、この例ではスライドのサイズは14.3cm × 25.5cmです。

このように計算したスライドのサイズを参考にして、オブジェクトの配置やサイズをある程度調整できます。

オブジェクトのサイズ変更

オブジェクトを選択した状態では、以下のショートカット・キーを使ってそのオブジェクトのサイズを調整できます。

キー 操作
Ctrl + Alt + K 縦横に拡大
Ctrl + Alt + J 縦横に縮小
Ctrl + Alt + B 横方向に拡大
Ctrl + Alt + W 横方向に縮小
Ctrl + Alt + I 縦方向に拡大
Ctrl + Alt + Q 縦方向に縮小

オブジェクトの移動

オブジェクトを選択した状態では、上下左右の矢印キーを使ってそのオブジェクトを矢印の方向へ移動できます。 また、Shiftキーと矢印キーの組み合わせを使うと、1ピクセルずつ移動できます。

スピーカー・ノートの追加

各スライドには、スライドの内容を補足するためのスピーカー・ノートを追加できます。

Ctrl + Shift + Alt + Sを押下すると、スピーカー・ノートを入力するためのテキストボックスが表示されます。 ここにスピーカー・ノートを入力し、Escキーを押下して編集モードを抜けると、そのスライドにスピーカー・ノートが追加されます。

追加されたスピーカー・ノートは、プレゼンテーション・モードでプレゼンター表示を有効にすると確認できるようになります。

テーマの修正

テーマは、発表資料全体の見た目を一括して制御するための機能です。 特定のスライドだけでなく、発表資料全体でフォントを変更したりサイズを変更したりする場合は、テーマを修正します。

テーマの修正を行うには、メニューバーから「表示」→「テーマ作成ツール」の順に選択します。 すると、スライド一覧の箇所に「タイトルページ」や「タイトルと本文」などのレイアウトが並びます。 スライド編集領域では、スライド一覧領域で選択したレイアウトに対して、オブジェクトの配置やフォントなどを変更できます。 スライド一覧の一番上にあるレイアウト中で、フォントやフォントサイズを変更すると、その変更が発表資料全体に適用されます。

Googleスライドで提供されているテーマを使うと、Arialという英文でよく使われるフォントがデフォルトで適用されます。 日本語の場合は、適切なゴシック体に修正すると良いでしょう。

例えば、以下の手順で発表資料全体のフォントをBIZ UDGothicに変更できます。

  1. メニューバーから「表示」→「テーマ作成ツール」の順に選択
  2. Ctrl + Alt + Shift + Fを押下して、スライド一覧にフォーカスを移動
  3. Homeキーを押下して、スライド一覧の一番上のレイアウトにフォーカスを移動
  4. Tabキーを押下して、1つ目のオブジェクトを選択
  5. Enterキーを押下して、そのオブジェクトの編集モードに入る
  6. Alt + Fを押下してフォーカスをメニューバーに移動
  7. Tabキーを何度か押下してツールバーにフォーカスを移動
  8. 左右矢印キーを使ってフォントリストを選択
  9. 上下矢印キーを使ってBIZ UDGothicを選択してEnterキーを押下
  10. Escキーを押下して編集モードを抜ける
  11. 残りのオブジェクトに対しても、上記5から10を繰り返す

上記の手順9で、指定するフォントによっては「その他のフォント」から選択する必要があるかもしれません。

テーマの修正が終わったら、再度「表示」→「テーマ作成ツール」を選択して、テーマ作成ツールを閉じます。

プレゼンテーションの実施

発表資料を使ってプレゼンテーションを行うときは、プレゼンテーション・モードを使います。 Ctrl + F5を押下すると、プレゼンテーション・モードに切り替わります。

プレゼンテーション・モードでは、スライドがフルスクリーン表示されます。 NVDAをフォーカス・モードにすると、以下の操作が可能です。

  • 次のスライドに移動:スペースキー、Enterキー、右矢印キー、下矢印キーまたはPage Downキーのいずれか
  • 前のスライドに移動:Backspaceキー、左矢印キー、上矢印キーまたはPage Upキーのいずれか
  • 特定のスライドに移動:数字キーに続けてEnterキーを押下
  • プレゼンター表示:Sキー

しかしフォーカス・モードでページを切り替える操作をした場合、スライドが何枚中何枚目かという情報と、スライドのタイトルしか読み上げられませんので、スライドの内容を確認しながらプレゼンテーションを行う場合には不便です。 表示している内容を確認しながらプレゼンテーションを行う場合は、ブラウズ・モードで操作します。

プレゼンテーション・モードをブラウズ・モードで確認すると、いくつかの画像としてスライドの内容が表示されていることが分かります。 スライドの最初の方にある画像には、細切れのテキストが付けられていて、音声でも展示でもとても読みにくいものになっています。 スライドの末尾に近い部分には、同じテキストが比較的読みやすい形で付けられた画像がありますので、これを確認しながらプレゼンテーションを行うと良いでしょう。 ブラウズ・モードで前後の画像に移動するGキーとShift + Gキーを活用すると便利です。

フォーカス・モードでSキーを押下すると、プレゼンター表示が開きます。 プレゼンター表示では、通常のプレゼンテーション・モードの表示に加えて、別のウィンドウにスライドの内容とスピーカー・ノートが表示されます。 また、一方のウィンドウでスライドの切り替えなどの操作を実行すると、もう一方のウィンドウでも同期してスライドが切り替わります。 スクリーン・リーダーによる操作は、プレゼンター表示でもプレゼンテーション・モードと基本的に同じです。

ノートパソコンにプロジェクターや大型モニターを接続しているような場合に、プレゼンテーション・モードのウィンドウはプロジェクターに表示し、プレゼンター表示のウィンドウは自分の画面に表示するといった使い方が想定されています。 なお、Windowsキー + Shift + 右矢印キーおよびWindowsキー + Shift + 左矢印キーを使うと、ウィンドウをディスプレイ間で移動できます。