Googleフォームは、オンラインでフォームを作成できる機能で、アンケートや申し込みフォームなどの作成に利用できます。 Googleフォームで作成されたフォームには、Webブラウザーでアクセスして回答できます。 また、フォーム作成者は回答をまとめたページを確認できるのに加え、回答をGoogleスプレッドシートに自動的に記録することもできます。
Googleフォームは、厳密にはGoogleドライブで作成できるファイルの一種です。 https://forms.google.com/にアクセスすると、最近使用したフォームの一覧の表示や新しいフォームの作成が可能ですが、実際の利用に当たってはGoogleドライブからフォームを開いたり新規作成をしたりするほうが便利な場合が多いでしょう。
なお、以下に説明する操作手順は、ショートカット・キーを用いるときとテキストを入力するとき以外はブラウズ・モードで行っても問題ありません。
新しいフォームを作ると、フォームの編集画面が開きます。 フォームの編集画面には、「質問」、「回答」、「設定」の3つのタブがあります。 新しいフォームを作ったときは、「質問」タブが選択された状態で、以下の項目が表示されています。
- ドキュメントのタイトル
- フォームのタイトル
- フォームの説明
- 1問目の質問記入欄
ドキュメントのタイトルとフォームのタイトルのいずれかを入力すると、もう一方の欄にも同じ内容が自動的に入力されます。 フォームのタイトルは、フォームの公開ページのタイトルで、フォームに記入するユーザーに対して表示されます。 ドキュメントのタイトルは、Googleドライブ上のファイル名として表示され、フォームの作成者が管理のために用いるものです。 必要に応じて、フォームのタイトルとドキュメントのタイトルを異なる内容にすることもできます。
フォームの説明は、フォームのタイトルの下に表示される複数行の文章で、フォームの目的や回答のルールなどを記述します。 ここでは、太字、斜体、下線、リンク、番号付きリスト、箇条書きの書式を利用できます。 また、これらはGoogleドキュメントと同様のショートカット・キーで指定できます。
フォームの説明の入力は必須ではありませんが、フォームの利用者に対してわかりやすくするために記入することが望ましいでしょう。
フォームの編集画面では、最後に編集した要素が選択された状態になります。 新しい質問など、要素を追加する場合には現在選択されている要素の直後に追加されるため、選択状態を意識しておくことが重要です。 ところが、ブラウズ・モードで編集画面内を読み上げると、読み上げに伴ってフォーカスが移動し、選択状態も変化します。 結果として、意図しない場所に要素を追加してしまうようなことになります。 NVDA + 8キーで「可能な場合に自動的にフォーカスを移動しない」ように設定しておくと、この動作を抑制できます。
1問目の質問は、以下の内容で作られた状態になっています。
- 質問:無題の質問
- 質問の形式:ラジオボタン(選択肢は「オプション 1」のの1項目)
- 必須:チェック無し
それぞれの項目について説明します。
質問文として表示される1行のテキストです。 太字、斜体、下線、リンクの書式を利用できます。
書式適用のボタンの直後にある「インライン画像を追加」ボタンを押すと、質問文とともに表示する画像を指定できます。
その質問に対する回答の形式を指定します。 1問目の初期状態の場合、「質問の種類 ラジオボタン」と読み上げる箇所でフォーカス・モードに変更すると、上下矢印キーとEnterキーを使って別の形式を選択できます。
選択した形式に応じて、設定項目が表示されます。
本稿執筆時点で利用できる質問の形式について、操作方法も含めて以下に示します。
- 記述式(短文):1行のテキストを入力する形式
- 段落:複数行のテキストを入力する形式
- 日付:日付を入力する形式
- 時刻:時刻を入力する形式
- ラジオボタン:複数の選択肢から1つを選ぶ形式
- チェックボックス:複数の選択肢から複数を選ぶ形式
- プルダウン:複数の選択肢から1つを選ぶ形式
これらの形式を選ぶと、「質問のオプション」の欄が表示されます。 この欄には、選択肢の項目を入力します。 最初は「オプション 1」または「選択肢 1」という1項目だけがある状態になっていますので、まず1つ目の選択肢を適切な内容に変更します。
選択肢の内容を入力してEnterキーを押下すると、次の選択肢の欄が追加され、フォーカスも移動します。 選択肢の数この操作を繰り返します。
選択肢の入力中は、通常の編集時同様にBackspaceキーで直前の文字を削除できますが、何も入力されていない時にBackspaceキーを押下すると、その選択肢の入力欄が削除され、1つ前の選択肢の入力欄にフォーカスが移動します。
複数の選択肢がある場合、Ctrl + Alt + 上下矢印キーで選択肢の順番を入れ替えることができます。 ただし、このキー操作は、フォーカス・モードで行ってもテーブル内のセルの移動の操作として認識されてしまう問題があるため、NVDA + F2キーを押下してから行います。
ラジオボタンとチェックボックスの場合は、各選択肢の直後にある「選択肢に画像を追加」ボタンを押すと、その選択肢とともに表示する画像を指定できます。
また、ラジオボタンとチェックボックスには、「その他」を追加、というボタンがあります。 これを押すと、「その他」の選択肢が追加され、ユーザーがその他の回答を入力できるようになります。
- 選択式(グリッド):グリッドの各行について、それぞれ1つの選択肢を選ぶ形式
- チェックボックス(グリッド):グリッドの各行について、それぞれ複数の選択肢を選ぶ形式
これらの形式では、グリッドの各列と各行の見出しを入力します。
例えば、曜日ごとに午前と午後の都合を尋ねるような質問の場合、行の見出しとして各曜日、列の見出しとして「午前」、「午後」を入力して、7行×2列のグリッドを作ります。
- 均等メモリ:スライダーを使って数値を選ぶ形式
- 評価:星マークなどを使って評価を選ぶ形式
均等メモリの場合は、メモリの下限を0または1、上限を2から10の整数に設定できます。 また、必要に応じて下限と上限に付けるラベルを指定できます。 例えば、下限のラベルとして「全くそうわ思わない」、上限のラベルとして「強くそう思う」のようなテキストを入力します。
評価の場合は、何段階の評価にするのかと、表示するアイコンを指定します。 評価の段階は3から10の間で選ぶことができます。 また、表示するアイコンは、星マーク、ハートマーク、サムアップ(高く評価)から選択します。
- ファイルをアップロード:ユーザーにファイルのアップロードを求める形式
この形式では、アップロードを許可するファイル形式、最大のファイル数、ファイル・サイズの上限とアップロードされたファイルを保存するGoogleドライブ上のフォルダーを指定できます。
チェックを入れると、その質問に対する回答が必須になります。
質問の最後の部分に、「その他のオプション」のメニューボタンがあります。 このボタンを押すと、質問の形式に応じて設定できる項目が表示されます。 例えば、記述式(短文)の場合は、回答の文字数の制限や、回答の形式などを指定できます。
「質問」、「回答」などのタブ切り替えの直後にある「質問を追加」ボタンを押すと、現在選択している質問の直後に質問が追加されます。 (ショートカット・キーはCtrl + I Ctrl + I)
ブラウズ・モードでこのボタンを押す場合は、前述のNVDA + 8キーによる設定が「可能な場合に自動的にフォーカスを移動しない」になっていないと、このボタンを読み上げた時点でフォーカスも移動してしまうため、最初の質問の前に新しい質問が追加されてしまいます。
なお、ショートカット・キーを使う場合は、フォーカスが質問の入力欄などの編集フィールド以外にあるときに実行してください。
各質問の末尾にある「質問を複製」ボタンを押すと、その質問のコピーがその質問の直後に作成されます。 (ショートカット・キーはCtrl + Shift + D) 同じ選択しを使った別の質問を作りたい場合などに便利です。
各質問の末尾にある「質問を削除」ボタンを押すと、その質問が削除されます。 (ショートカット・キーはAlt + Shift + D)
質問以外に、以下の項目を追加できます。 いずれも、タブ切り替えの直後にあるボタンまたは、以下に示すショートカット・キーによって、現在選択されている項目の直後に追加できます。
項目 | 追加のショートカット・キー | 用途 |
---|---|---|
タイトルと説明 | Ctrl + I Ctrl + H | 質問の間に補足の説明を追加 |
画像 | Ctrl + I Ctrl + P | 質問の間に画像を追加 |
動画 | Ctrl + I Ctrl + V | 質問の間に動画を追加 |
セクション | Ctrl + I Ctrl + B | 質問を複数のページに分ける場合に、改ページ位置を指定 |
セクションを活用すると、回答によって表示する質問を変えるようなフォームを作成できます。
質問の順序を変えたい場合、補足説明の位置を移動したい場合などには、以下のショートカット・キーを使って現在選択している項目を移動できます。
- 項目を上に移動:Ctrl + Shift + K
- 項目を下に移動:Ctrl + Shift + J
編集画面の先頭近くにある「プレビュー」ボタンを押すと、フォームのプレビューが別のタブで開きます。 編集中のフォームが、公開時にユーザーに対してどのように表示されるかを確認できます。
「プレビュー」ボタンの近くにある「公開」ボタンを押すと、フォームの公開設定が表示されます。 リンクを知っている人なら誰でも回答できるようにする場合は、この画面で「公開」を押します。 特定のGoogleアカウントのみに回答を許可する設定も可能です。
公開ボタンを押すと、フォーム編集画面に戻ります。 先ほどの「公開」ボタンは「Open published form settings」に変わっていますが、この少し前にある「回答者へのリンクをコピー」を押すと、回答用のURLが表示されます。 このとき、読み取り専用の編集フィールドにURLが表示されるので、フォーカス・モードに切り替えた上で、Ctrl + Cキーでコピーしてください。 または、編集フィールドの少し後にある「クリックして回答者へのリンクをコピー」を押すことでもURLをコピーできます。
このURLを対象者に送信して、回答を求めます。
フォームの編集画面で、タブを「回答」に切り替えると、回答の集計が表示されます。 この画面では、質問ごとに回答の集計が表示され、質問形式によってはグラフも表示されます。
タブ切り替えの直後に回答件数が表示されていますが、その直後にある「スプレッドシートにリンク. 回答をスプレッドシートに送信」ボタンを押すと、その時点での回答を記録したGoogleスプレッドシートが作成されます。 また、これ以後の回答は、このスプレッドシートに自動的に記録されます。 集計を行う場合やスクリーン・リーダーのユーザーが回答状況を確認する場合は、このスプレッドシートを利用するのが便利です。